現代詩人・吉増剛造は鮎川に残る作品《room キンカザン》に通い続け、金華山を目の前に現在も創作活動を続けています。この会場で生まれた作品や空気感をもとに、吉増剛造とオルタナティブロックバンド・空間現代によるライブ・パフォーマンスを記録した、ドキュメンタリー映画『背 吉増剛造×空間現代』(監督:七里圭)がこの10月に公開となります。
映画の完成を記念し、石巻での上映会とパフォーマンスを2日間に渡って実施することとなりました。石巻でのまたとない機会となりますので、是非作品とあわせてお楽しみください。
企画①
映画『背 吉増剛造×空間現代』(監督:七里圭)上映会
日程:8月26日(金) 18:00〜(17:30から入場開始)
※ 当日は七里圭監督も来場予定です。上映後アフタートークを予定しております。
会場:IRORI 石巻(宮城県石巻市中央二丁目10-2新田屋ビル一階)
出演:七里圭、吉増剛造
司会:松村豪太(Reborn-Art Festival 事務局長)
協力: シネマトリックス、チャーム・ポイント
チケット料金:1000円(パスポート有りは500円)
チケット購入方法:ArtSticker
企画②
タイトル:吉増剛造×空間現代
日程:8月27日(土)18:00〜(17:30から入場開始)
約1時間程度
会場:石巻 BLUE RESISTANCE(宮城県石巻市立町1-2-17)
出演:吉増剛造、空間現代
アフタートークあり
協力:合同会社空間現代
チケット料金:2500円(パスポート有りは2000円)+ワンドリンク制
※ワンドリンク代(600円)は入場時に現金にてお支払いください。
チケット購入方法:ArtSticker
▼ 企画問い合わせ先
Reborn-Art Festival事務局
TEL:0225-90-4726
MAIL: info@reborn-art-fes.jp
オフィシャルサイト:http://2022.reborn-art-fes.jp
『背 吉増剛造×空間現代』について
そこで詠まれたのは、窓の外、 ガラスの向こうに捧げた詩だった —— ただただ孤高 —— ひとりの詩人とひとつのロックバンド、ライブそしてドキュメンタリー。詩人・吉増剛造とオルタナティブロックバンド・空間現代がスクリーンで対峙する圧倒的 62 分!『眠り姫』『のんきな姉さん』の七里圭が満を持してドキュメンタリー映画に挑む
80 歳を超えてなお旺盛な創作活動を続ける、日本を代表する現代詩人・吉増剛造。本作は彼が、先鋭的なオルタナティブロックバンド・空間現代と、京都の小さなライブハウス「外」で 2019 年に行った朗読ライブ「背」の記録だ。
吉増剛造はその年の夏、かつて津波を引き起こした海に面する宿の小部屋で、窓の向こうの海に浮かぶ霊島・金華山を眺めながら、その地に足を踏み入れることなく、思いを馳せた。それは今、世界が閉ざされる経験をした後の我々には、予見的で、象徴的にも感じられる。
マスクや目隠しを用いながら、声の限りに叫び、録音を再生し、ありったけの力で透明なガラスにドローイングする……鬼気迫るライブ・パフォーマンスの全編を凝視して、詩人の言葉の「背」後を浮き彫りにする。監督は七里圭。自身初のドキュメンタリー映画となる本作で、生身のふたつの魂の激突をありのままに映し出す。
【出演】
吉増剛造、空間現代
【監督・撮影】
七里圭
【撮影・グレーディンクグ】
高橋哲也
【整音】
松野泉
【アソシエイト・プロデューサー】
西原多朱
【企画・製作・配給】
チャーム・ポイント
【企画協力】
合同会社空間現代
【制作協力】
合同会社インディペンデントフィルム
【共同配給】
シネマトリックス
2021年 / 日本 / 62分 / DCP / ドキュメンタリー
2022 年 10 月 8 日(土)より 新宿 K’s cinema にてロードショー、全国順次公開
▼ 吉増剛造《room キンカザン》について
Reborn-Art Festival 2019 で発表された作品。石巻・鮎川の金華山の目の前に立地する「島周の宿さか井」の一室が作品となっている。現在も吉増剛造が通い、この場所で創作活動を続けている。展示継続中。
https://2022.reborn-art-fes.jp/exhibition/room_kinkazan/
▼ 吉増剛造
詩人。 1939年東京生まれ。慶応義塾大学文学部卒業。大学在学中に詩誌「ドラムカン」に拠って、疾走する言語感覚と破裂寸前のイメージで、60年代詩人の旗手として詩壇に登場。1964年、第一詩集『出発』刊行以来、半世紀にわたって、日本各地、世界各地を旅して、さまざまな土地の精霊や他者の声を呼び込んだ詩空間へとフェーズを変えながら、現代詩の先端を拓きつづける。 Reborn-Art Festival 2019の参加をきっかけに、現在も石巻に通い続けている。
▼ 七里圭
映画監督。1967 年生まれ。早稲田大学卒。シネマ研究会に所属し、先輩の手伝いから映画製作の現場で働くように なる。約 10 年間の助監督経験、テレビドラマ等の演出を経て、『のんきな姉さん』、短編『夢で逢えたら』 (ともに 2004)で監督デビュー。その後、声と気配で物語をつづる異色の作品『眠り姫』(2007/サラウンドリマスター版 2016)を発表。この作品が、現在まで15年間毎年アンコール上映を繰り返し、代表作となる。 一方で、建築家と共作した『DUBHOUSE』(2012)が国際的な評価を得る。この頃から、他ジャンルのアーチストとのコラボレーション作品も多くなり、「音から作る映画」プロジェクト(2014~2018)、舞台上演「清掃 する女」(2019)など実験的な映画制作、映像パフォーマンスも手掛けるようになる。2020年にはロックダウン直前のベルリンとパリで招聘公演が催され、2021 年には早稲田大学に開設された村上春樹ライブラリーのイメージ映像を監督した。 すでに、吉増剛造氏との次の作品制作も始まっており、京都・春秋座での劇場実験が2023年2月に予定されている。さらに、オリジナル脚本による久々の劇映画も完成を控えている。
2017年、山形国際ドキュメンタリー映画祭インターナショナル・コンペティション審査員。2003年から2016年までTBS「THE 世界遺産」の構成作家も務めた。2019年より多摩美術大学非常勤講師。最初の作品は、高校時代に PFF‘85 に入選した(推薦:大島渚)8 mm 映画『時をかける症状』(1984)。
▼ 空間現代
2006年、野口順哉(Gt、Vo)、古谷野慶輔(Ba)、山田英晶(Dr)の3人によって結成。編集・複製・反復・エラー的な発想で制作された楽曲をスリーピースバンドの形態で演奏。これによるねじれ、 負荷がもたらすユーモラスかつストイックなライブパフォーマンスを特徴とする。2016年9月、活動の場を東京から京都へ移し、自身の制作および公演の拠点としてライブハウス「外」を左京区・錦林車庫前に開場。2021年、最新作『Tentei』をリリース。